資本金減少(減資)と登記
資本金の額を減少させた場合には、最終的には登記簿の資本金の額を減少する登記をしなければなりません。
しかし、資本金は、会社の責任財産を裏付けるものですのでが、登記の前提として、会社債権者に対して公告(官報掲載)や個別催告など、法定の手続きが必要となります。
お客様の声
-
東京都 男性
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減資の手続き
資本金を減少させるには、まず『株主総会の決議』により以下の事項を定めることを要します。
- 減少する資本金の額
- 減少する資本金を準備金にする場合は、その旨と準備金にする金額
- 効力が発生する日
また、資本金を減少すると決定した後に、1ヶ月以上の期間を定めて、減資の内容等を官報により公告し、会社が認識している債権者に対しては、個別に通知しなければなりません。(これを債権者保護手続きといいます。)
なお、資本金は、株主総会で定めた「効力発生日」に法的な効力が生じ、減少することになりますが、それまでに債権者保護手続きが完了していない時は、効力が発生しないことになますので、この場合には、効力発生日を変更する取締役(会)の決定が別途必要になります。
ご依頼から手続完了までの流れ
電話・メールにてお問い合わせ
費用を見積り、お客様にご確認いただきます
※ご納得いただいたうえで手続を開始します
必要書類を作成し、お送りします
お客様より必要書類へご署名ご捺印いただきます
※郵送にてやりとりします
法務局で登記申請をします
手続き完了のご報告・完了書類のお渡しをします
費用
総額 26万円程度
※以下の会社は、官報費用が安くなるため、総額15万円程度です。
- 有限会社
- まだ1期目の決算を迎えていない株式会社
- 決算公告をしている株式会社
内訳
業務内容 | 実費 | 報酬(税込み) |
---|---|---|
官報公告 | 4万円~15万円 | 8万円 |
登記 | 登録免許税 3万円 | |
登記事前調査・登記事項証明書など 1000円程度 |
ご依頼の際の必要な書類
- 会社謄本
- 定款
- 直近の貸借対照表
- 直近の損益計算書
- 代表者の身分証明書
よくあるご質問
- 会社の資本金を減少させるには、どのような種類がありますか?
- 会社の資本金を減少させる減資には、「有償減資」と「無償減資」の2種類があります。
有償減資とは、資本金の減少と同時に株主への金銭等の交付を行うものです。有償減資の場合には、資本金を減少させて株主への配当を行います。
無償減資とは、株主への金銭等の交付を伴わない減資です。無償減資では、資本金を資本準備金またはその他資本剰余金に振り替えたり、欠損填補に充てたりすることになります。 - 会社が資本金を減らすのは、どのような場合になりますか?
- 減資を行うのは、以下のようなケースです。
①欠損填補
赤字が累積すると、欠損金として貸借対照表に表れることになり、会社の信用力が低下してしまいます。資本金を減らして欠損を填補することで、貸借対照表上のマイナスを穴埋めすることができます。
②配当のため
会社法では、配当を行うときには、分配可能額までという制約があります。多額の欠損金がある場合、減資を行うことで配当ができるようになることがあります。
③節税
資本金が1億円以下になると、税法上中小会社としての様々な優遇措置が受けられることになり、節税の効果があります。また、資本金が1億円を超える会社は外形標準課税の対象となってしまいますが、1億円以下に減資をすることでこれに対処することができます。 - 資本金を減らしたいのですが、どういった手続きになりますか?
- 減資の場合には、債権者の利益を害する可能性があるため、増資よりも厳格な手続きが定められています。減資の手続きの流れは、次のようになります。
1. 株主総会の招集
減資には株主総会の決議が必要になるため、株主総会の招集手続きを行います。
2. 株主総会の決議
株主総会で資本金減少の決議を行います。株主総会の決議は原則として特別決議になりますが、決議を定時総会で行う場合で、減少する資本金の額が当該定時総会の日における欠損金の額を超えないときには、普通決議でかまいません。
3. 債権者保護手続き
債権者に異議申立ての機会を与えるため、官報への公告と、知れたる債権者に個別の催告を行います。もし減資に異議を述べる債権者がいる場合には、弁済や担保の提供が必要になります。
4. 登記申請
減資の効力は、株主総会で定めた日(この日までに債権者保護手続きが終了しない場合には債権者保護手続きが終了した日)に発生することになります。減資の効力発生後、2週間以内に、本店所在地を管轄する法務局で変更登記申請を行います。 - 株式会社の資本金を減少させるときには、どれくらいの費用がかかりますか?
- 減資の際には、公告が必要になりますから、官報公告費用として約15万円(直近の決算公告をしている場合には約4.5万円)が発生します。 また、減資を行ったときには、法務局での変更登記手続きが必要になり、登記費用がかかります。減資の際の変更登記の登録免許税は3万円となっており、司法書士に手続きを依頼する場合には別途司法書士の報酬が発生します。
- 株式会社の資本金を減少させたいと考えています。資本金変更の手続きにはどれくらいの期間がかかりますか?
- 減資の場合には、債権者への通知や官報公告といった債権者保護の手続きが必要になるため、増資の場合よりも手続き期間が長くなってしまいます。少なくとも2ヶ月程度の期間はかかると思っておいた方がよいでしょう。
- 減資を行う場合、資本金はいくら減らしてもかまわないのですか?
- 株式会社の最低資本金の制度が廃止されたため、資本金はいくら減らしてもよく、減資で資本金0円にすることも可能です。債務超過の会社の再建のため、既存株主の株式数をいったんゼロにして新しい出資者に株式を割り当てる「100%減資」と呼ばれる方法がとられることもあります。
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