学生ローンを返せない人に債務整理が適している理由
監修
司法書士 速水陶冶
/司法書士法人はやみず総合事務所 代表東京司法書士会所属。1979年東京都生まれ。幼少期に父親が事業に失敗し、貧しい少年時代を過ごす。高校を中退した後、様々な職を転々とするも一念発起して法律家の道へ。2009年司法書士試験合格。
東京司法書士会所属。1979年東京都生まれ。幼少期に父親が事業に失敗し、貧しい少年時代を過ごす。高校を中退した後、様々な職を転々とするも一念発起して法律家の道へ。2009年司法書士試験合格。
急な飲み会や合宿、旅行、勉強に必要な書籍代やダブルスクールの費用など、学生といえども予定していた以上のお金が必要になることはあります。お金を工面するために学生ローンで借金したけれど、返せなくなってしまったという人もいるのではないでしょうか?
学生ローンで借りたお金が返せず、「借金地獄でやばい・・」という状態になったら、債務整理という方法があります。ここでは、債務整理で借金の負担を軽くできるしくみについて説明します。
目次
学生ローンとは
学生ローンとは、一般に、大学生等の学生本人を対象に融資を行う消費者金融の商品のことを言います。学生ローンは、銀行や大手消費者金融では取り扱いされておらず、主に中小の消費者金融で取り扱いされています。
学生ローンは、CMなどはされておらず、インターネットの広告やSNSなどで集客が行われています。大学や専門学校の数が多く、学生がたくさん集まる高田馬場のような街には、学生ローンを取り扱っている業者がたくさんあります。
学生ローンは、日本国籍で高卒以上の大学生、短大生、専門学校生、予備校生等が利用できるのが一般的です。消費者金融からの借入は、貸金業法の総量規制により通常は年収の3分の1が上限になりますが、学生は収入証明の提出が義務付けられておらず、借入額はもっぱら業者の審査によって決まります。
学生ローンの融資額はそれほど多くはなく、上限は50万円程度です。学生ローンは無担保・保証人なしでスピーディーに借りられます。審査も緩く、親に内緒で借りられるため、お金に困ったときには心強い味方のように感じます。しかし、学生ローンは15~18%の高金利になっており、借りたはいいものの予定通り返せないということも起こってしまいがちです。
学生ローンは手軽に利用できるが返済できなくなる人が多い
学生ローンを利用する目的は、人によって様々です。学費や家賃の支払いに困って学生ローンを利用する人もいます。合宿や卒業旅行に行く費用が必要になり、学生ローンに手を出してしまうという人もいるでしょう。その他に、洋服を購入するため、ギャンブルや飲み会などの遊興費に使うために学生ローンで借金してしまう人もいるでしょう。
学生ローンは、学生証や免許証があれば簡単に借りられます。しかし、金利が高いため、お金に困ったときについ借りてしまうと、返せなくなってしまうことがあります。学生ローンが返せないときに、とりあえず他社から借りて返済するようなことを続ければ、あっという間に多重債務者になってしまうこともあります。
卒業後に奨学金と合わせて返済できなくなるケースもある
学生の借金と言えば、奨学金があります。奨学金の返済は、通常、卒業後に開始し、月々の返済額は1~2万円程度であることが多くなっています。社会人になったばかりの頃は給料も安いため、奨学金の返済は大きな負担に感じます。就職できず、無職やフリーターであれば、毎月の返済はより深刻な問題になってしまいます。
さらに、在学中に学生ローンで借入した場合、高金利のため返済が終わらず、卒業後も返済を続けなければならないことがあります。奨学金の返済だけでも大変なのに、学生ローンの返済が加わると、身動きがとれなくなってしまいます。奨学金と学生ローンという2つの返済で、卒業後借金地獄に陥ってしまう人も少なくありません。
学生ローンを返せなくなるとどうなる
学生ローンで借りたお金も、通常の借金と全く同じです。貸金業者から借金したときには、毎月の返済日に、契約で定められた返済額を支払う必要があります。もし返済日に遅れた場合には、延滞ということになり、ペナルティが課せられてしまいます。
学生ローンの借金を延滞したら、通常の利息より高い遅延損害金を払わなければなりません。遅延損害金の利率は年利20%(月利1.7%)程度となっていますから、延滞が続くほど借金が大きく膨らんでしまいます。また、延滞を続けるようなことになれば、業者から容赦なく取り立てを受けることになります。郵便で督促状が届いたり、電話がかかってきたりしますから、親に借金がバレてしまう可能性もあります。
学生ローンが返せなくなったら債務整理がおすすめ
学生ローンで借りたお金を返せないときには、債務整理により解決できることがあります。債務整理とは、法的な手続きを利用することにより、今ある借金の減額や免除を認めてもらい、借金を合法的に整理する方法です。
学生ローンの借金も、通常の借金と同様、債務整理ができます。他社から借りて返済に回すことでは一時しのぎにしかなりません。借金問題を根本的に解決したいなら、債務整理を考えるのがおすすめです。
学生ローンを債務整理するメリット
債務整理をすれば、今ある借金をゼロにしたり、大幅に減額したりできます。学生ローンの借金のみを整理する方法もありますが、他にキャッシングなどの借金がある場合には、まとめて整理することも可能です。毎月の返済額を支払い可能な額にすることで、精神的な負担が軽くなり、落ち着いて生活の立て直しができます。
学生ローンの利用者の中には、親に内緒で借金している人も多いと思います。債務整理の中には、裁判所を通さずにできる方法もあります。債務整理をしたいけれど親にバレたら困るという場合でも、心配する必要はありません。誰にも知られずに手続きをとることもできますから、借金で悩んでいるなら、前向きに債務整理を検討しましょう。
学生ローンを債務整理するデメリット
債務整理をすると、ブラックリストに載ってしまいます。ブラックリストに載るとは、信用情報に事故の情報が登録されることを言います。金融機関で貸付の審査をするときには、信用情報をチェックします。ブラックリストに載ると、貸付の審査に落ちることになり、どこからもお金を借りられなくなってしまいます。借金だけでなく、クレジットカードも作れません。
ブラックリストの情報は永久に残るわけではなく、5~7年程度で削除されます。その期間を過ぎると、再びクレジットカードを作ることもできるようになります。一時的に不便することになりますが、新たな借金を防ぐことができますから、むしろ好都合と考えた方が良いでしょう。
債務整理には大きく4つの方法がある
債務整理として一般に用いられる方法には、任意整理、自己破産、個人再生、特定調停の4つがあります。どの方法が良いかは、一概には言えません。それぞれの方法で、メリット、デメリットが違います。
また、借金問題を解決したい理由や残っている借金の額によっても、とれる方法が変わってきます。債務整理をするときには、どの方法がいちばん適しているかをしっかり見きわめた上で、いちばんメリットになる方法を選んで手続きをとるべきです。
任意整理
任意整理は、お金を借りている業者と裁判外で直接交渉を行い、毎月の返済額を減額してもらったり、支払期間を延長してもらったりする方法です。任意整理をしても借金がゼロになるわけではありませんが、将来の利息についてはカットしてもらえるので、トータルでの支払額を減らせます。
任意整理は、どんな場合でもできるわけではなく、残った借金を3~5年で返済できなければ、貸金業者は通常は任意整理に応じてくれません。学生ローンの場合には、借金額がそれほど大きくないことが多いため、任意整理できる可能性があります。任意整理は裁判所を通さずにできるため、親に借金を内緒にしている場合でも、手続きしやすい方法です。
自己破産
自己破産は、借金の支払いができないことを裁判所に認めてもらう方法です。自己破産しただけでは借金はなくならず、自己破産の決定後、免責許可を受けることで、借金が免除されるしくみになっています。
自己破産をすれば、借金がなくなる代わりに、財産を失ってしまいます。最低限の現金は手元に残せますが、それ以外の財産は換金して借金の返済に充てる必要があります。学生は住宅を持っているケースは少ないと思いますが、車を持っていれば手放さなければなりません。
自己破産をして免責許可を受けると、以降7年間は再度免責が受けられません。安易に自己破産するのではなく、他の方法で債務整理できない場合に自己破産を検討するようにしましょう。
個人再生
個人再生は、裁判所の認可を受けた再生計画に従って原則3年間返済を続けることを条件に、残りの借金を免除してもらえる方法です。個人再生では借金が全額免除になるわけではありませんが、借金が5分の1もしくは100万円にまで圧縮されるため、借金額によっては大幅な減額となることがあります。
個人再生は、基本的に毎月継続した収入がある人しか利用できません。学生の場合には、アルバイトなどで継続的に収入を得ている人でなければ、個人再生は困難です。また、個人再生では、100万円未満の借金は減額にはなりません。30万~40万円程度の借金では、個人再生をするメリットはないですから、学生ローンの解決法としては不向きと言っていいでしょう。
特定調停
特定調停は、簡易裁判所の調停を利用して貸金業者と話し合いをし、今後の借金の支払方法について合意する方法です。任意整理は裁判外で債権者と話し合いを行う方法ですが、特定調停は裁判所で債権者と話し合いを行う方法になります。
特定調停は、自分で費用をかけずに手続きしやすい方法ですから、学生ローンの悩みの解決に向いている方法の1つです。ただし、特定調停を行うときには、申立書を作成したり、裁判所に出廷したりする手間がかかってしまいます。
また、特定調停をしても、債権者と合意できるとは限らず、無駄に終わってしまうこともあります。特定調停をするよりも、専門家に依頼して任意整理をした方が、借金を減らせる可能性は高いと言えるでしょう。
まとめ
学生ローンが返せないときには、一人で悩んでいても解決しません。他社から借りて返済するよりも、債務整理をして問題を根本的に解決することを考えましょう。
債務整理については、借金問題に詳しい専門家に相談するのがおすすめです。司法書士は、債務整理の手続きをサポートできる専門家です。140万円以下の借金については、弁護士と同様、司法書士に貸金業者との交渉や裁判所での手続きを任せることができます。学生ローンの借金の問題は、司法書士に問題解決を依頼できることが多くなります。
司法書士・行政書士「はやみず総合事務所」は、学生ローンが多い高田馬場にある債務整理の専門家です。借金でお悩みの学生の方は、お気軽にご相談ください。
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